60歳からやってみた

おっかなびっくり始めた投資と日々アップデートする生活の記録です

たかが年賀状、されど年賀状

12月に入って喪中はがきも出揃い、そろそろ年賀状を書く季節になりました。
私ですか?もちろん出しますよ~。

いつからか、この時期になると、「年賀状の終活」のことが話題にのぼることが多くなりました。実家の母(91歳)も「もうやめようかしら」と言い始めていますが、年賀状自体は私が作って宛名も印刷しているので、ひとこと書くのが面倒ではないのなら続ければ?と私は言っています。

f:id:yattemita60:20201207023221j:plain

母がそう言うのは、私に迷惑をかけたくないという遠慮からと、「今年でもうやめます」という賀状を何人かの人(もちろん高齢者)から貰ったので「私もやめた方がいいのかしら?」と世間体を気にしているからのようです。

ネットでの様々な人の意見を読むと、年末の忙しい時に云々、お金もかかる、SNSで繋がっている、他人の子供の写真なんて見たくない、年賀状だけの付き合いだ、勤務先の人に出すのはナンセンス、などなど、ほぼ「年賀状やめて正解発言」が全体の9割くらいを占めています。

私は最初、賛成と反対が半々くらいかなと思っていたのでちょっとめんくらいました。
でもまあネットで見かけた意見なので、そもそもネットができる世代だとそういう割合になるのでしょう。

確かに私も仕事をしていた独身の頃は、ホントに忙しくて時には徹夜になるような時期に年賀状なんてあり得ないと思っていました。実際、年内に年賀状を出すのは物理的に不可能だったので、ほぼ大晦日に年賀状を作成して年が明けてから来た人にだけ出していました。なので、働いている人や年末に忙しい人の「年賀状なんて出したくない」という気持ちはよくわかります。はがきの値段もずいぶん高くなりましたしね。。

うちの子供たち(31歳と28歳)を見ていると、学生時代から1~2枚しか年賀状が来ないので、たぶんそう遠くない将来、年賀状という日本の習慣はなくなるだろうなあと確信しています。


でも、でもですね、まだまだ年賀状を出す人の方が圧倒的に多い世代の私としては、「今年で年賀状をやめます」というハガキが来ちゃったりすると、「ああ、私との付き合いはもうやめるってことなのね。」「私、断捨離されたのね。」と、年明けの初日からものすごく気分が悪くなるわけです。

確かにその人、最近は年賀状だけの付き合いだったしね。
メアドは知ってるし、フェイスブックやインスタで連絡を取ろうと思ったら取れるしね。

その時は何とか冷静を装うのですが、でも、自分でもびっくりするんですが、この終活ハガキ、忘れた頃にひょんな瞬間に思い出されてボディブローのように効いてくるんです。確かに、年賀状をやめるっていうのは個人の自由だし全然いいと思うんですが、それを受け取った側は、理屈ではなく感情として、なんとも言えないイヤな気持ちになるんです。

いや、「受け取った側は」と書きましたが、相手も年賀状をやめようと思っていたのなら逆に共感されて支持されて、じゃあ自分もやめようとなるのかな。受け留め方は人それぞれですね、きっと。

私は、今年の年賀状で40代と50代の友人から「年賀状やめます」をもらいました。その時、友人と思っていたのは私だけだったんだ、本当は友人ではなかったんだと思ってしまいました。もし何か連絡を取る必要が生じても、拒否された(と、思ってしまった)私は、怖くてもうコンタクトを取ろうと思わないと思います。

実際、私は、その友人達との楽しかった思い出も、振り返るのがつらくなりました。
この1年間、何度「年賀状やめます」のことを思い出しては、悲しい気持ちになったことでしょう。繰り返しますが、自分でもびっくりしています。こんなにいやな気分になるものか、と。この1年、何度も何度も思い出して悲しい気持ちになりました。

今まで、私よりもお年を召した方から「年賀状やめます」といただいても、そういうものかなと特に何も感じなかったのですが、同世代や若い方だとなぜか複雑な気持ちになりました。

でも、考えてみたら、いつのまにかやり取りがなくなっていたという「自然消滅」も今までも数多くありました。それこそ年賀状でのお付き合いをしなくてもよい相手だったのでしょう。敢えて「やめます」と宣言するのがいいのか悪いのか、よくわかりませんが、それによって元旦から気分が悪くなる人が一定数いるのは事実だと思います。

最後に、ヤフーニュースのコメント欄に投稿されていたコメントをひとつ紹介します。

「去年終活年賀状出してた父が、今年も普通に年賀状を作ってて笑った」